第15話

葵はエレベーターのボタンを押した。

「何しに来たの」

悟はコートのポケットから封筒を取り出し、差し出してきた。

「寧々がお前のカルテを改ざんした証拠、病院内部の操作ログのオリジナルバックアップ、そしてそのアカウント所持者の身元情報だ」

葵はその封筒を見つめたまま、手を伸ばさなかった。

「会わないって言ったはずだけど」

「俺には会わなくてもいい、だがこれは絶対に受け取れ」

悟は封筒を廊下の窓枠に置いた。

「お前の病気は本当だ。胃癌のステージⅡ。寧々が人を雇って確定診断の結果を胃炎に書き換えたんだ。和也もあいつに騙されている」

「私にはもう関係ない」

悟は彼女をじっと見据えた...

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